教授挨拶

久留米大学医学部 外科学講座小児外科部門主任教授 加治 建

2021年11月より久留米大学医学部 外科学講座小児外科部門の教授を拝命しました加治 建と申します。
本教室の歴史は古く、昭和38年に矢野博道先生が久留米大学外科から小児グループを立ち上げられました。昭和52年に診療科として独立し、初代教授には矢野博道先生が就任され、小児消化管運動機能の分野を中心に多数の業績を残されました。平成5年より第2代教授として溝手博義先生が就任され、小児の栄養・外科代謝の分野を中心に多数の業績を残されました。平成17年8月より第3代教授として八木 實先生が就任し、消化管機能、漢方療法を中心に多数の業績を残されています。このように、立ち上げから50年以上の歴史を有する臨床、研究の両面において日本の小児外科医療のさきがけとなった教室であります。
小児外科は15歳以下の小児を主な対象として外科治療を行ってきましたが、長年の臨床経験を蓄積する中で、16歳以後になっても術後長期にわたる経過観察や新たな外科治療を要する症例があることを経験してきました。従って、近年では、出生前診断を受けた胎児に対する外科的治療方針の検討にはじまり、新生児から思春期までの症例に加えて、術後の成人に至る幅広い年齢層への外科治療までを担うようになっており、「究極のgeneralist」ではないかと考えています。そのために幅広い知識と技術を習得すべく、常に学ぶ姿勢を大切にしています。
近年の少子化の進行が問題になっていますが、だからこそ、日本の未来を担う子どもたちが安心して生まれ、成長できる医療を構築することが必要であると考えています。患者家族との対話を大切にして、安心・安全な医療を提供する事に加えて、小児外科領域の研究の発展と“心・技・体・知”を備えた心豊かな若手医師の育成を目指していきますので、何卒よろしくお願いします。

略歴
1987年3月熊本大学医学部卒業
1987年6月鹿児島大学医学部附属病院 小児外科医局入局
1989年4月静岡県立こども病院 外科研修
1990年4月鹿児島大学医学部附属病院 小児外科 医員
1999年4月鹿児島大学医学部 小児外科 助手
2003年1月医学博士 学位取得(鹿児島大学)
2004年4月鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 小児病態制御学分野 講師
2005年4月カルガリー大学GIクループ(Sigalet 教室)留学
2006年9月鹿児島大学病院 小児診療センター小児外科部門 講師
2012年4月鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系 小児外科学分野 准教授
2017年10月鹿児島大学病院 総合臨床研修センター 特例教授
2021年11月久留米大学医学部 外科学講座小児外科部門 主任教授
資格
日本外科学会(専門医、指導医)
日本小児外科学会(専門医、指導医)
日本周産期・新生児医学会(認定外科医)
日本外科代謝栄養学会(教育指導医)
日本臨床栄養代謝学会(前:日本静脈経腸栄養学会)(認定医、指導医)
初期臨床研修 指導医、プログラム責任者
座右の銘
努力を積み重ねれば平凡が非凡に変わる(稲盛和夫著:「生き方」より)
/